正しいPMI講座

M&Aのシナジー効果とは?効果を発揮するにはPMIが重要だった!?

2021/05/21正しいPMI講座

中小企業を中心に盛り上がりを見せるM&A。経営者の高齢化に伴う事業継承や、昨今のコロナ情勢により、ますますその需要は高まっています。

さらに近年では、M&Aによって生まれるシナジー効果を狙った事業拡大を目指す動きも増えてきました。上場企業の中には決算発表時の「トリック」としてM&Aを用いるケースもありますが、買い手企業にとってはシナジー効果を期待して行うのが主流です。

果てしてM&Aにおけるシナジー効果は、どんなものがあるのでしょうか?「M&Aを検討している」「シナジー効果を発揮したい」と考えている方、必見です。

M&Aのシナジー効果とは?

シナジー効果とは、日本語で「相乗効果」のこと。2つの会社が経営統合したことで、今まで以上の成果を残し発展していくことを「シナジー効果があった」と表現できます。

せっかくM&Aで企業を買収したなら、シナジー効果を狙いたいもの。そのためには、M&Aで生まれるシナジー効果について詳しく知っておく必要があるでしょう。

M&Aによるシナジー効果の種類

M&Aによって生じるシナジー効果は、主に以下の4つ。

① 販売シナジー
② 生産シナジー
③ 投資シナジー
④ 経営シナジー

それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。

(1)販売シナジー

販売シナジーは、販路経路や売り場の共同利用などで効率化を実現することで発生する相乗効果のこと。つまり、販売面において相乗効果を得ることを指します。

売り上げが伸びるだけではなく、流通におけるシステムを共有し効率を上げることによって、販売にかかるコストを削減する効果も期待できます。

具体的には、顧客が購入した商品やサービスに付加価値をつけ、単価をあげる「クロスセリング・アップセリング」をはじめ、販売チャンネルの拡大、ブランド効果の向上などがあげられます。

(2)生産シナジー

生産設備を共有することで、生産性がアップする現象が生産シナジーです。生産における相乗効果が生まれると、大量生産や生産におけるコストが削減、生産過程の効率化などが期待できます。

その結果、価格交渉力の強化や物流コストの削減を目指せるのです。この2点の効果を望めるのは、M&Aの大きなメリットでしょう。

(3)投資シナジー

3つ目は、投資シナジーです。投資シナジーとは、研究開発をはじめとする投資面で生じる相乗効果のこと。新たな商品やサービスを開発するには、どうしても時間やコストがかかってしまいます。

M&Aによって、2つの企業のノウハウや技術を集結することで、よりスムーズに開発を進められるのです。

投資シナジーは、将来への投資も含まれます。例えば将来性のあるベンチャー企業を買収した場合、やがて得られることが予想されるシナジー効果を期待できます。

(1)経営シナジー

最後は、経営のノウハウを共有することで生まれる経営シナジーです。

買い手側は、新しい市場へ参画するケースも多いですが、新たな市場で成功を収めるには、ノウハウや知識が必要不可欠。そこで、売り手側が培ってきたノウハウを共有してもらうことで、新市場での成功を目指せるのです。

また、1から新規参入するよりも、すでに実績のある会社を買収して参入することで、費用面・コスト面の削減が期待できるほか、リスク回避も可能になります。

シナジー効果によって得られるもの

シナジー効果で得られるものは、以下の3つ。
① 売り上げの強化
② コスト削減
③ 経営ノウハウの獲得および組織マネジメントの強化

(1)売り上げの強化

販売・生産・投資・経営シナジーにより、販路拡大や生産性アップ、販売ノウハウなどが期待でき、売り上げの強化が見込めます。

別々に事業をするよりも、2社が1つになった方がより多くの売り上げを見込めるケースも。特に同業他社とM&Aを実施した場合の売り上げ強化が期待できます。

(2)コスト削減

M&Aで企業が統合されることにより、生産面や開発面を中心に大きくコストダウンが叶うことが予想されます。

事業拡大において、コスト削減は必要不可欠。売り上げの強化と同じく、同業他社とM&Aを実施した方が大量仕入れや販路の拡大などにより、コスト削減におけるシナジー効果を実感できるでしょう。

(3)経営ノウハウの獲得および組織マネジメントの強化

特に他業種を買収して新市場に参入した場合に効果が大きいのが、経営ノウハウの獲得によって得られるシナジーです。すでに実績のある企業が培ってきた経験やノウハウを参考に事業を進めていけるのは、大きなメリットでしょう。

また、人材や組織マネジメントの分野でもシナジー効果を得られます。企業においてマネジメント能力のある人材の確保は急務。M&Aを実施することで、優秀な人材確保が見込めます。

シナジー効果を発揮するための注意点

M&Aによってシナジー効果を発揮するためには、「リスクチェック」「自社の価値理解」「情報の管理」といったポイントに注意しなくてはなりません。

(1)リスクチェック

先述した通り、M&Aで生まれるシナジー効果は「売り上げの強化」「コスト削減」「経営ノウハウの獲得および組織マネジメントの強化」などが挙げられます。

上手くいけば収益が上がり事業拡大も見込めますが、必ず成功するとは限りません。M&Aを進めていく段階では企業調査なども行いますが、改めてリスクチェックを徹底しましょう。

また、良いシナジー効果を得るには、統合後のマネジメントがとても重要になります。異なる会社が一つになるのですから、文化の違いに戸惑う従業員や統合に納得できない従業員もいるでしょう。そのため、M&Aでは最終契約後に行うPMIが「成功の鍵」に。

売り手側企業側の人材にM&Aの目的や未来を理解してもらい、モチベーションを保ってもらうことが大切です。

(2)自社の価値理解

より良いシナジー効果を生むためには、自社について理解を深めることが必要不可欠。

「自社にどのくらいの価値があるのか」「どんなノウハウを持っているのか」「強みは何か」などを改めて考えておきましょう。M&Aを検討しはじめたらまず、「M&Aを行う目的の明確化」をしておくのがおすすめ。

最初に目的を明確化することで、方向性が定まりスムーズな取引ができるはず。M&Aアドバイザーや仲介会社に依頼するときも、あらかじめ目的を明確にしておくとスムーズです。

(3)情報管理

M&Aで最も注意が必要なのは、情報漏洩です。

公な発表の前に協力会社との情報が漏れると、従業員や顧客に不安感を与えてしまうケースも。また、情報管理の甘さが理由で関係が絶たれてしまう可能性も否定できません。

そのため、情報管理には細心の注意を払いましょう。

M&Aのシナジー効果には、PMIの成功が重要に

M&Aにおけるシナジー効果を高めるには、経営統合つまりPMIのプロセス非常に重要。M&Aの成功およびシナジー効果の発揮には、PMIが上手くいくかどうか、にかかっているといっても過言ではありません。

PMIを成功に導くサービスを提供している弊社が、数々のM&Aを終えた企業に取材してわかったのが「売り手企業の従業員にM&Aの目的と未来を共感・納得してもらう」ことの重大さです。

現場で仕事をしている従業員のモチベーション維持は、事業拡大において必須事項。M&Aを成功させるには、適切なPMIで社員のモチベーションを高めることが重要なのです。弊社では、PMIを成功に導いた事例や失敗事例などを解説する「PMIセミナー=PMIに成功している企業は何をやっているのか?」や、従業員の不安を解消する「コミュニケーションレター」など、経営統合をスムーズに進めるためのサービスを提供しています。

M&Aでシナジー効果を存分に発揮させたいなら、最終契約後のPMIは欠かせない重要事項。M&Aを成功させたいならPMIのスペシャリストである私たちに、ぜひご相談ください。