正しいPMI講座

日本国内におけるM&Aの現状と今後の課題は?わかりやすく解説

2021/06/25正しいPMI講座

合併と買収(Mergers and Acquisitions)の略であるM&A。日本国内におけるM&A成約件数は増加しています。そんな中「国内におけるM&Aの現状を改めて知りたい」「今後の課題は?対策方法はどうなるの?」といった思いを抱える方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、日本国内のM&Aの現状や今度の課題、対策について解説していきます。ぜひご覧ください。

 

1.日本国内におけるM&Aの現状

日本国内のM&A件数は2012年以降右肩上がりで、2017年には過去最高の3,050件を記録しました。(株式会社レコフデータ参照)

しかし、コロナ禍の影響もあり2020年は、件数が減少。渡航制限などもあり、海外企業とのM&Aが減ったことが要因として考えられます。とはいえ、国内企業のM&Aはコロナ禍でも大きく減少することはなく、前年比−1.9%にとどまりました。

コロナ禍の影響は受けつつも、日本におけるM&Aは依然として活性化していることがわかります。

どうしてM&Aは盛り上がりを見せているのでしょうか?その要因として考えられるのは、以下の3項目です。それでは、それぞれの項目について詳しくみていきましょう。

・後継者不足による事業継承ニーズの高まり
・M&A仲介業者やマッチングサイトの登場
・新市場を求めた海外企業M&Aの活発化

「後継者不足」で高まるM&A需要

少子高齢化の影響で中小企業を中心に後継者問題が浮き彫りになってきています。中小企業庁が発表したデータによると、2025年までに70歳(平均引退年齢)を超える中小企業の経営者は約245万人。そのうち、約半数の127万人は後継者未定とされています。

かつては親族内継承を採用する中小企業も多々ありましたが、会社経営を任せられる後継者がおらず廃業を余儀なくされるケースも。そういったリスクを回避するために、事業継承を目的としたM&Aを行う企業が増加しているのです。

M&A仲介業者やマッチングサイトの登場

1990年頃まで国内におけるM&Aは、上場企業や大手銀行などが主役でした。しかし、近年は中小企業の事業継承ニーズが高まった影響もあり、「M&A仲介ビジネス」が登場してきました。

買い手企業と売り手企業のマッチングに重きを置く仲介会社やマッチングサイト、企業の立場で交渉するFAなど、M&A業務を営む業者の数は年々増加しています。M&Aを行うには、売り手側・買い手側共に様々な知識が必要です。こういった不安を取り除いたり、サポートしたりしてくれる仲介業者やFAの登場により、M&Aを行う敷居が下がりました。

このようなM&A業務を営む業者が増加したことも、M&A件数が伸びた要因のひとつでしょう。

新市場を求めて、海外企業M&Aの活発化

国内市場が縮小傾向ということもあり、将来性を見込んで海外市場に目をつける企業も増加しています。2020年はコロナ禍の影響もあって件数は減少していますが、それまでは日本にない技術や新たな市場を求めて、海外M&Aを検討する企業は増加していました。

かつて海外M&Aは、大手企業が中心に行っていましたが、近年は中小企業でも海外M&Aを行うケースも。海外進出のメリットは、新たな市場の獲得と許認可を再取得する必要がないことが挙げられます。

海外で新規事業を立ち上げる場合は、市場調査からはじまり様々な手続きが必要となり時間もかかってしまいます。M&Aであればそのような手間を大幅に改善できるため、経営戦略としてM&Aを選択する企業も多くいるのです。

アフターコロナに海外M&A市場はどのような動きを見せるのか、注目したいところです。

 

2.日本国内におけるM&Aの今後の展開

日本国内の現状は、M&A件数が増加傾向にあることがわかりました。

増加した理由として考えられるのは、中小企業の後継者不在問題です。後継者がいないため、事業継承を目的にM&Aを活用するケースが増加しました。それに伴い、M&A仲介ビジネスが加速したのも、件数増加の要因のひとつでしょう。

気になる日本国内におけるM&Aの今後の展開ですが、中小企業経営者の高齢化に伴い今後も増加していくでしょう。事業継承だけではなく、M&Aによって生まれるシナジー効果を狙った、事業拡大を目指す動きも増えてきています。その結果、国内はもちろん、海外市場を狙った海外M&Aも勢いを増しています。

こういった要因もあり、国内のM&Aは今後も活性化していくことが考えられます。

 

3.M&Aの課題と対策

M&Aにはどのような課題があるのでしょうか?また、その対策としてどのような方法をとれば良いのでしょうか?

この章では、この章では、
・マッチング時
・交渉時
・統合時

それぞれの段階の課題とともに、

・譲渡側の課題と対策
・買収側の課題と対策

を解説していきます。

マッチング時の課題

M&Aを行うには、相手企業を探すところからはじまります。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が行った「中小企業の事業再編・統合、企業間連携に関する調査」(※複数回答のため、合計は必ずしも100%になりません)によると、M&Aの相手先を見つけたきっかけの42.3%は「第三者から相手先を紹介された」というもの。第三者を通して相手企業と出会うケースが多くなってきており、いかに円滑にマッチングできるか、がM&Aを成功に導くための重要なポイントといえます。

そんなM&Aのマッチング時の課題として最も多いのは、「判断情報が不足していた」(41.8%)というもの。次いで「効果がよくわからなかった(26.7%)」、「仲介等の手数料が高かった(18.7%)」「相手先が見つからなかった(17.9%)」と続きます。

なぜ情報が不足しているのかというと、中小企業は未上場企業が多く、企業情報を公開していないから。M&Aのマッチング段階だと、企業名を隠した「ノンネーム情報」しか開示していないため、限られた情報だけで判断が難しいと感じる企業も多いようです。

このような課題の対策として考えられるのは、第三者が企業側に助言をしていくことです。M&Aについて豊富な経験や知識のある専門家などの助言を受け、少ない情報でも判断しやすい環境づくりをしていくことが重要です。

交渉時の課題

同じく三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の調査によると、M&Aの交渉時の課題として最も多いのは「買収金額の折り合い(53.6%)」、次いで「企業文化・組織風土の違い(42.8%)」となります。

M&Aは企業同士の交渉で金額を定めていくため、折り合いが難しく金額交渉は難航してしまうケースも。このような課題を抱えるのはM&Aの相手先を見つけたきっかけで、「第三者から相手先を紹介された」と回答した企業が多いのも特徴です。

正しい知識がないと上手な交渉ができず、売り手側は安く売りに出してしまったり、買い手側は高い金額を出さなくてはならなくなったりする場合も。相談できる「第三者」がいることで効果的な交渉を進められるようになったことで「折り合い」が課題になってきたと考えられます。

統合時の課題

M&A後の統合も重要なプロセスです。この統合時の課題として最も多いのは「企業文化・組織風土の融合(54.7%)」、次いで「相手先の従業員のモチベーション向上(50.6%)」、「人事・賃金制度やITシステムの統合(39.5%)」という結果に。

元々別の企業が親子関係になるわけですから、統合は一筋縄ではいきません。特に売り手企業の従業員にとっては、「会社に売られた」といったマイナスな印象を持ってしまうことも。そういった状況だとモチベーションも下がり、せっかくM&Aで事業拡大を目指していても、思うような結果が出ないケースも考えられます。

そのため、M&A後の統合(PMI)プロセスは、M&A成功の鍵といっても過言ではありません。上手に企業文化や組織風土を融合させていくとともに、従業員のモチベーションを維持していくことが重要です。

譲渡側(売り手側)の課題と対策

譲渡側にとっても「相手先が見つからなかった」という結果は避けなくてはなりません。第三者の紹介が多いことからもわかるように、M&Aを進めていくためには買い手側・売り手側のマッチングを円滑にしていくことが必要不可欠。

相手が見つかっても情報が足りず判断が難しいケースや、仲介会社などに支払う手数料が高いといったケースもあり、マッチング時における大きな課題です。

それらを解決するには、信頼できる仲介会社に依頼することが重要です。その上で、「M&Aを行う目的」を明確化していく必要があります。会社の存続なのか、従業員の雇用の維持なのか、はたまた買収をきっかけに海外展開してほしい、拡大してほしいなど、M&Aに求める要望は企業によって異なるもの。

はじめに目的を明確化し、スキームを選定していくことが、M&Aを円滑に進めていく近道です。

買収側(買い手側)の課題と対策

買収側にとっても、「円滑にマッチングできるかどうか」、「価格交渉はスムーズに進むか」という点は大きな課題です。

それに加えて、経営統合(PMI)はM&Aの成功を左右する重要な工程。クロージング後に企業価値を生み出してこそM&Aの目的を達成できたといえるでしょう。

統合後のキャップやすれ違いを防止するためにも、買い手企業と売り手企業は、何度もミーティングを行い、認識をすり合わせていくことが大切です。業務のノウハウや全体的な流れ、従業員の働き方などをしっかりと把握して、統合に反映させていきましょう。

 

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M&A後に行う統合(PMI)は、M&Aの成功を左右する非常に重要なプロセス。

ある調査によると、M&A後の実に7割が期待以下の成果しか出せていない、といわれています。成果を出すためには、買収した会社を立て直し、再び成長軌道に乗せてあげる必要が。とはいえ、PMIを成功させて成果を出すのは簡単なことではありません。

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