正しいPMI講座

M&Aで不安や不信感を感じたら、セカンドオピニオンも念頭に!

2021/06/25正しいPMI講座

M&Aを進めるにあたり、仲介業者やFA(ファイナンシャルアドバイザー)といった専門家に相談する方も多いですよね。優秀で信頼における専門家であれば問題ありませんが、なかにはなんとなく相性が悪かったり、言動や態度に不信感を抱いてしまったりするケースも考えられます。

多くの方にとってM&Aは、特に売り手側企業にとっては人生ではじめての経験。満足いく結果にするためには、信頼における専門家に出会えるかどうかは重要なポイントです。もし、不安や不信感を感じているなら、別の専門家に相談するいわゆる「セカンドオピニオン」の検討をおすすめします。

とはいえ、どんなタイプのアドバイザーにお願いすればいいか迷ってしまいますよね。そこで今回は、M&Aに不安や不信感を抱える方向けにアドバイザーやセカンドオピニオンについて解説していきます。

 

1.アドバイザリー契約は慎重に!

そもそもアドバイザー契約とは、事業者と業務に関するアドバイスを得るために結ぶ業務委託契約の一種。M&Aにおいては、売り手企業・買い手企業の仲介会社やアドバイザーからM&Aを遂行させるためのアドバイスや提案をもらうために契約を結びます。

M&Aは財務から労務知識、金額交渉やマーケティング、デュー・デリジェンスの工程があり、幅広い知識や経験が必要になります。そのため経験豊富な専門家と契約を結び、助言や提案を受けるのです。

小さな企業の場合、M&A仲介会社の手数料が数千万円以上だと買い手企業にとって割高になってしまい、買収したくてもできないケースがあります。実績の多い大手だからと選んでしまうと、こんな落とし穴が待っている場合もあります。

そのため、仲介会社やFAを選ぶ際には、業務形態や業務範囲、契約期間や内容、報酬体系などをしっかり確認した上で検討していく必要があります。

【アドバイザリー契約を結ぶ前のチェックポイント】
・業務形態と業務範囲および内容の確認
・契約期間
・報酬体系(手数料)
・M&A取引の実績(取引件数や年数など)
・利用者の声や評判
・担当者との相性

上記のうち特に重要な項目について、詳しく解説していきます。

業務形態と業務範囲および内容の確認

アドバイザリー契約を結ぶのが仲介会社なのかFAなのか、業務体系によって注意するポイントが異なってくるので確認するようにしましょう。それと同時に業務範囲がどこまでなのかもチェックしておく必要があります。

スキームの選定から交渉、クロージングまで行ってくれるのか、統合時までアドバイスを行ってくれるのかなど、業務形態や各事業者・FAによっても変わってくるからです。また、手数料に対し納得感があるかどうかも重要です。

報酬体系の確認

報酬体系は事業者やFAによっても異なりますが、多いのは以下のような形です。
・着手金(アドバイザリー契約締結時に支払う)
・月額報酬(一定額を毎月支払う)
・中間金(M&Aを進めるなかで一定の工程まで進んだら支払う)
・成功報酬(案件終了時に支払う)

これらの報酬を全て請求する仲介会社、FAもいれば、いわゆる完全成功報酬型(成功報酬のみ請求する)もあります。ここの確認を怠ると、「思った以上に報酬が高額だった」「手数料が高かった」といった悩みを抱えてしまう可能性もあるので、事前にきちんと確認しておきましょう。

M&A取引の実績の確認

M&Aは専門的な知識が必要です。そのため経験豊富で実績のある仲介者や仲介者、FAを
選べば安心できます。また、それぞれの業界に特化した知識や経験、実績があれば尚良し。アドバイザリー契約を結ぶ前に、今までの実績や取引件数なども、先方からプレゼンしてもらうなどして、チェックしておくことをおすすめします。

担当者との相性

M&Aは会社同士の契約ごとではありますが、実際の現場は人と人が取り組む仕事です。そのため、担当者との相性も、アドバイザリー契約を結ぶ前にしっかりみておきたいポイントです。

多くの方にとってM&Aははじめての取引。満足に納得できるM&Aを行うためには、仲介業者やアドバイザーとの信頼関係を築くことが必要不可欠。M&Aは会社と会社の契約ですが現場は人と人が取り組む仕事です。疑問や不安があったらすぐに相談できる人物かどうか、信用できる人物かどうかを判断しましょう。

少しでも不安要素ある場合は、契約を結ぶ前に他の専門家に相談した上で総合的に判断することをおすすめします。

 

2.アドバイザリー契約の専任条項について

アドバイザリー契約は、「専任契約」と「非専任契約」があります。専任契約は依頼している仲介会社とだけ契約を行うもので、非専任契約は複数の仲介会社と契約を結ぶ形を指します。ちなみに、大多数は専任契約を採用しています。

【専任契約のメリット】
アドバイサリー契約を結んだ仲介会社とだけM&Aを進めていくため、情報漏洩しにくい点が最大のメリットです。特に売り手企業は、情報が漏れてしまうとなかなか買い手が見つからなくなるケースも。そういったリスクを回避できるのも、情報統制しやすい専任契約だからこその利点だといえるでしょう。

また、やりとりが1社に固定されるため、資料作成や打ち合わせなどの作業工数が減る点も魅力的。M&Aは時間がかかるため、工数を減らせるのは大きなメリットでしょう。

【非専任契約のメリット】
非専任契約のメリットは複数の仲介会社から相手先を紹介してもらえるため、候補先をより広い範囲で見つけることができる点が挙げられます。それにより、より好条件の企業とマッチングする可能性も考えられるでしょう。

しかし、複数の仲介会社とやりとりが発生することもあり、結果的に工数が増えて交渉がスムーズにいかなくなるリスクも。候補先の範囲が広がったとはいえ、必ず良い交渉ができるわけではないため注意が必要です。

要注意!「専任条項」って?

専任契約を結んでしまうと、競合他社との契約、FAや仲介会社への相談は契約違反になってしまうことも。こういった禁止事項を「専任条項」といいます。

そのためアドバイザリー契約を結ぶ前に、
・締結後にセカンドオピニオンを求めることは可能なのか?
・禁止されている行為は具体的にどんなものなのか?

などを予め確認しておくと安心です。合わせて、契約期間や中途解約についてのルールも聞いておくと良いでしょう。

 

3.セカンドオピニオンも念頭に!契約を結ぶ前に色々な相談をするのがベスト

改めてセカンドオピニオンとは、M&Aを進める上で支援機関や仲介会社と契約締結するときや、助言・提言受けた際に、その契約や助言が本当に正しいのかどうかを他の仲介会社にも確認することを指します。

実はセカンドオピニオンは、経済産業省の「中小M&Aガイドライン」でも推奨されています。
参照:経済産業省

M&Aは売り手にとって一生に一度の大切な決断になりますし、買い手にとっても自社の未来を決める大きな決断です。はじめに相談した支援機関や仲介会社が優秀で信頼できれば問題ありませんが、後悔ないM&Aを目指すためには幅広い意見を参考に進めていくのがベスト。

・どこに依頼したらいいかわからない
・実際に相談してみたが、想像と違った。担当者と馬が合わなかった
・報酬や助言が妥当なものかわからず、納得しにくい
・会社はしっかりしていたが、担当者が新人で不安

上記のようなお悩みを抱えている場合は、セカンドオピニオンの実施をおすすめします。複数の企業や支援機関を比べることにより、より自社に合った満足のいく仲介会社やFAを見つけられるでしょう。

一度契約を進めてしまうと、中途解約は難しいケースがほとんど。専任契約の場合、競合他社との契約、FAや仲介会社への相談は契約違反となる場合もあるため、契約締結前に相談を済ませておくのが理想です。即座に契約締結するのではなく、一呼吸おいて競合他社などを見比べた上で選択しましょう。

 

4.この記事のまとめ

特に売り手企業にとっては、M&Aは人生ではじめての経験となります。また、買い手企業にとっても、会社の命運を左右する重要な局面です。

満足できる結果を得るためには、信頼できるアドバイザーに出会えるかどうかが非常に重要です。とはいえ、最初に相談したアドバイザーが優秀で信頼のおける人材とは限りません。その結果、「実際に相談してみたが、担当者と馬が合わなかった」「実績が不十分だった」 「報酬やアドバイスが妥当かどうかわからない」といったお悩みを抱えてしまうケースも少なくありません。

仲介会社やアドバイザーとの契約は「専任契約」が多く、一度契約をしてしまうと競合他社との契や相談は禁じられてしまうケースも。そのため、アドバイザー契約を結ぶ前に、別の専門家に相談する「セカンドピニオン」を念頭に入れておくことを推奨します。

また、アドバイザリー契約を検討する際やセカンドオピニオン実施時には、以下の項目も合わせて確認しておくとスムーズです。

・業務形態と業務範囲および内容の確認
・契約期間
・報酬体系(手数料)
・M&A取引の実績(取引件数や年数など)
・利用者の声や評判
・担当者との相性

なかでも報酬体系(成功報酬型など)とM&A取引の実績、担当者との相性は特に重大な部分。後から「こんなはずじゃなかった…」とならないためにも、事前の確認が必須です。

アドバイザリー契約を結んでしまうと身動きが取りにくくなってしまうため、事前に複数のアドバイザーに相談し、納得した上で契約に進むようにしましょう。

M&Aを検討する上で不安や不信感を覚えたら、セカンドオピニオンを行うのがベスト。相談・検討した上で満足できるアドバイザーを見つけ、M&Aを成功させましょう!